竹鶴21年ISC受賞記念イベントで思うこと

前エントリーで書いたニッカウヰスキーのイベントについて思ったことをいくつか。


私たちはクライアントにブロガーリレーションの提案をする時、必ず言うことが幾つかあります。
曰く

  1. 会場でブロガーの相手をするのは、イベントスタッフでなくクライアント自身でなければ駄目です。
  2. ブロガーは本質を見抜きます。本質価値が高いと自負している商品でやりましょう。
  3. その商品を一番愛している人に登壇してもらってください。
  4. 演出は必要です。でもそれは体裁を繕うためでなく、おもてなしをするためのものです。



今回の竹鶴21年イベントは、そういう視点でのレベルがとても高かったです。

  1. 広告会社を入れず自分たちで全てを丁寧にやっている。(ファンイベントだからではありますが)
  2. 目が覚めるような竹鶴21年のクオリティ
  3. チーフブレンダーの久光さんのオーラ(笑)
  4. そして幾つか効果的にちりばめられた、おもてなしの心の溢れる演出。



そのおもてなしと演出の内容はこんなでした。

  • テイスティンググラスのコースターがわりの紙。
    21年のグラスの足元に21年のラベルロゴが。12年のところには21年のロゴが。
  • 懇親会の乾杯1杯目はハイボール
    テイスティングの強みが舌に残った状態から、格好の場面転換になった。
  • アサヒビールの社員の方たちが懇親会場をまわって来場者に話しかける。
  • 竹鶴21年を使ったトリュフチョコのサービス。
  • お土産が竹鶴21年のミニボトル(!)
    これが一番素敵でしたね。
    何しろ、感動したばかりのあの味を、その日に家で追体験できるんです。リマインダーとしても有効。



これらのことは、イベント演出としてはさほど難しくないです。
でも凄いのは、これらを全てクライアント自身が企画運営していたこと。
(多分そうだと思います。広告会社の仕切りは入ってなかった...ですよね?)


今はまだブロガーイベントは市場を動かす力には(殆ど)なっていません。規模も小さいしね。
でも今後のソーシャルメディアと向き合うにあたっての、大きなトライアルの場です。
で、それが

  1. で言ったようなクライアントの当事者性を強く求めるもので、それをクライアント自身でやってしまう。

これを突き詰めると広告会社は居なくていいかもしれませんね。
てか、それをこえる知見とクリエイティビティが無いなら居なくていいですね。


そんなことをツラツラ思いました。




おまけ1:NIKKA BRENDER'S BAR入口にある「第1号ウィスキー」。
BAR自体の演出も素敵ですね。





おまけ2:アサヒビールは今までもブロガーリレーションを続けてきています。
最初は広告会社の力を借りて、それが自身の知見として蓄積されて、そして自分たちで。
何事も同じか。