ラジオ



ネット広告に最も欠けているものは“音”という情感だと思う。


PCの限界を感じさせるプアな音色、
オフィスでいきなり音が出ることへの遠慮(というかクレームへの恐れ)、
そもそも文字ベースの文化へと割り込む音の、どうにもな収まりの悪さ。


でも、音は本来匂いと共に最も心の襞をくすぐるものだ。
そんなことを、木曜のRABJ(日本ラジオ広告推進機構)のセミナーで思い出した。


全日本シーエム放送連盟(ACC)共催 RABJラジオクリエイティブセミナー

■基調講演

「私のラジオCMのつくり方」
第1部 講師:福本ゆみ事務所 コピーライター 福本ゆみ 氏 (ACC06年度グランプリ)
第2部 講師:株式会社大広 CMプランナー 井田万樹子 氏 (ACC07年度グランプリ)


トークセッション

「ラジオのチカラ番外編〜ラジオCMとブランディング
福本ゆみ 氏×井田万樹子 氏
司会:ACCラジオCMプロジェクト リーダー 林屋創一 氏 

http://www.rabj.org/seminar/index.html


ラジオCMの中に、
福本さんは、心に残るドラマツルギーを持ち込み、
井田さんは、有無を言わせぬ笑いで引きずり込む。


土日のドライブ、トラッカーの深夜強行軍、地方の車通勤、デイタイムの小規模オフィス。
私の感じる限りでは、今のラジオは完全な“ながらメディア”だ。
じっとラジオの前に座って聞き耳をたてるものではなくなった。
であれば、爽やかで穏やかなだけのクリエイティブでは、どんなにフリークエンシーをかけても心には残らない。


逆説的に言えば、それゆえに良いラジオCMは、印象深くて面白いものになるのだろう。
福本さんのアデノゲン×マキアージュのCMには涙が出たし、
井田さんの「くしゃみ会話講座」はツボにはまって死ぬかと思った。
※この2つのCMってどこかにアーカイブ無いですかね?テキスト原稿じゃなくて。
 これ本当に聞いた方がいい。こういうときTVCFはYouTubeがあって楽だ。



メディアとしてのラジオは斜陽で、このことはもうどうしようもない。
でも音メディアの素晴らしさは衰えてなどいない。音は強力だ。
何か、今のネット文脈でも“スッ”と入ってきて記憶をくすぐるような、そんなサイトを作りたい。と強く思いました。


あと関係ないけど、井田さんはとても魅力的なクリエイターでした。こういうクリエイターと仕事がしたいなぁ。




で、mojaometalくんのこんなエントリーも。
http://dokkkoisho.blog51.fc2.com/blog-entry-13.html

巷ではラジオの聴取率が減少している、
メディアパワーが落ちてきていると言われてますが、
ラジオを日常的に聴いている人をターゲットとすれば
かなりのターゲットメディアですよね。
最近ドライブ中にラジオを聴いているんですが、久々に聴くとイイ。
DJとリスナーとの一体感、共有感が気持ちいい。
視覚で感じとれない分、思考(という名の妄想)をする
ゆとりが実は気持ちいいんだな。

そんな妄想好きな私から
週末にオススメのプログラムをご紹介。

[俺達のオールナイトニッポン40時間スペシャル]

そういえば鶴光のエロ話にはかじりついてたなぁ。
ここで、車の中以外に家中どこにもラジオがないことに気付く。