カンファレンス2題
先週今週と行ってきたカンファレンスのメモを2つ。
■Web広告研究会月例セミナー
今回はGoogle Click to Playの報告でした。
先日取り上げたダイワハウス外張り断熱の家 ネットCMがこれでした。
http://d.hatena.ne.jp/kikuiken/20070516/p2
高広さんとサイバー・エージェントの面々が登場。
興味深い内容でした。遅れていったのが悔やまれます。
- 動画の再生時間は最大2分間(今回は90秒)
- 2パターンのクリエイティブを流してクリック率を比較。
TVCF制作前にクリエイティブテストが可能になる。 - ファーストインプレッションを得る静止画は6種類
- 1再生あたりの単価を下げるには「再生率」「CPM」の2要素管理が重要。
- 最初に重視するのはインプレッション数。その後で効率化を重視する。
- フリークエンシー6回/Wと2回/Wで、CTRはあまり変わらなかった。
- 再生率はゴールデンウィーク期間中に特出して高まった(=視聴者の気分)
- 期間を通じて再生率はほぼ横ばいで、下がりはしなかった。
- サイトに飛んだ人の“直帰しない率”は70%以上。普通のバナーに比べ1.5倍以上。
- Click to Playで動画を見てからサイトに来た人の60%が続きの動画を見てくれた。
- 70%にメッセージが伝わり、51%が興味関心を持ち、その中の70%が展示場へ行ってみたいと思った。
総括的に、
- 動画広告は訴求力が強く態度変容効果が高く、潜在層へのアプローチにも有効だが、
これを生かすためには、精密なプランニングと高い配信管理能力が必要
とのことでした。
Web研の報告ページはこちら(もしかしたら会員専用?)
http://www3.wab.ne.jp/modules/news/article.php?storyid=108
■JAAAクリエイティブ研究会
「私のコミュニケーション作法を教えます」と銘打った、
06年クリエイターズ・オブ・イヤーの受賞者の方々によるカンファレンスです。
目玉は電通の澤本さんですが、それ以外の方のお話もエキサイティングでした。
古田彰一氏(博報堂)
代表作:カロリーメイト+24hours、ANAシカゴチャレンジ
- TVCMで広げてWebで深くする
- カロリーメイトでは、「続きはWebで」ではないWebから始まるストーリーを作った
- メディアの複合展開は、単に一緒に使っても各々のデメリットを束ねてしまうだけ。
そうではなく、各メディアの長所を活かしながらストーリーを繋げていく。 - 広告「を」どう作るかではなく、広告「で」どう作るかではなく
- スタッフは本物でかためる
- 動物的カン(獲物・トレンドを探す)と、植物的カン(育つ、タネ、花が咲く)
藤崎実氏(読売広告社)
代表作:もったいないカレンダー、極魔界村バイラルムービー
- 最速・最短のコミュニケーション
- 自らの仕掛けに酔わない
- 360°全部を埋めるのではなく、180°を埋めて、残り180°を世間が埋めていく感じ
- タレントのパワー
- CVS勝利の2TOP = TVCM + POP
澤本嘉光氏(電通)
代表作:東京ガス ガスパッチョ、SoftbankMobile予想外、リクルート4夜連続CM
- 1本目(TVCM、アテンション)と2本目(Webムービー、説明)のバランス
- 良いコミュニケーションをとることは、良い土地を買うこと。
でもそれだけではダメで、そこに良い建物を建てることが重要 - メディアの発展にあわせ、表現も進化していかなければいけない
- 感情の累積に対しての、1本あたりの密度。
みなさんが共通で言っていたのが、
クリエイターティブディレクターはメディアの目利きでなければならない(清水氏)
ということと、
仕組みに溺れてはいけない、ソフトがいいことが重要(澤本氏)
でした。
私は割とあちこちのカンファレンスに顔を出してますが、いつもクリエイターと思しき人は殆どいません。
このことについては広告深夜族さんが書いているエントリーが秀逸ですが、
http://3599.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_2ec9.html
http://3599.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_9f8d.html
(:クリエイティブが研修などに参加しない件について)
今回はクリエイターで会場満員でした。
今日のカンファレンスを通じて、多くのクリエイターがメディアにもっと興味を持ってくれればいいなと思います。