ロングテール



以前も取り上げさせていただいた
αブロガー、isologueの磯崎さんのnikkeibpの連載の新しい記事。
面白く示唆に富んでいる。

Web1.0か2.0か、というのは単なる言葉の定義の問題ではあるが、2.0のほうが、より「進んでいる」というイメージを持たれやすい。しかも、「ロングテール」という言葉が、「かっこいい」「最先端」といったポジティブなイメージで語られているので、注意しなければならない。

はたして、「ロングテール」というのは「いいこと」なのか?





広告でロングテールの象徴となるリスティング広告は、メディアが手間をかけないでも、クライアント(もしくは広告代理店)とシステムが勝手に回してくれるゆえに儲かっている。
ネット専業代理店が黒字決算なのは、総合に比べて人件費/売上総利益比率が極端に抑えられている要因が大きい。
メディア側・広告会社側の理論で言えば、ロングテールクライアントは、コア収益源でなく成長要因としての位置づけになってしまう。


しかしながら、リスティング広告ターゲットセグメント性とROIにおいて群を抜く存在なのは変わらない。
で、このシステムはロングでないクライアントにも有効。
よって買い手側の理論がそちらにシフトしていってしまう。広告会社側がどう思おうと。


アマゾンはグーグルやイーベイよりも売り上げは大きいが、粗利率はたったの24.0%。ネット以前の通販は、健康器具、健康食品、下着など、粗利率が5割とか7割ある商品でしか成立しえなかった。2割ちょっとの粗利の商品でも「通販」できるようになったというのは、確かにネットやIT技術の画期的な成果だとも言える。

これに比べると、広告会社のメディアコミッションは15%に足されたり引かれたり。上位以下は基本的に引かれっぱなし。

ポイントは、市場で「他社が参入する気も起こらないような絶対的なポジションを獲得すること」であって、「ロングテール」が直接、利益を運んできてくれるわけではないのである。

ということは、勝つのは1社+α程度。他はもう負けるか下請けに廻るしかない。




やっぱりもう広告の時代は終わるのかもしれない。
で、一度終わってまた始まる、と。






あと、この表が非常に面白かった。
転載させていただきます。