ウェブ進化論いまさら
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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2006年の「IT踏み絵」(笑)として一般まで広く巻き込むことになった「ウェブ進化論」。
何しろ、天下の朝日新聞社ロビーの書店でまで、新書版第一位!
色々な人が読んでるので、色々な人と話をする機会があるのだけれど、やはりネットに首までどっぷり浸かっているか否かで、実感値が異なってくるようだ。
自分も含めた前者は、自分が茫漠と思っていたことが考えられぬほどシンプルで的確な言葉で語られるがゆえに、途中途中で止まってしまい先に進むのに時間がかかるという逆現象がおきる。不可知領域のツボを突くという意味では、タランティーノの映画に近い。
で、突かれたツボを並べるだけでかけがえのない備忘録となるので、書き出してみようと思う。(これっていいんですよね?ダメならすぐ下げます。指摘ください)
「次の10年」は、ITに関する「必要十分」な機能のすべてを、誰もがほとんどコストを意識することなく手に入れる時代になる。
日本だけでも数千万人、世界全体で言えば10億人規模の人々が、某か自らを表現する道具を持ち、その道具が「ムーアの法則」の追い風を受けてさらに進化を続けていくと何が起きるのか。それは、今とは比較にならないほど膨大な量のコンテンツの新規参入という現象である。
「増殖する地球上の膨大な情報をすべて整理し尽くす」
「知の世界の秩序」の再編成
ネット上の玉石混合問題さえ解決されれば、在野のトップクラスが情報を公開し、レベルの高い参加者がネット上で語り合った結果まとまってくる情報のほうが、権威サイドが用意する専門化(大学教授、新聞記者、評論家など)によって届けられる情報よりも質が高い。
プロフェッショナルをプロフェッショナルであると認定する権威は、既存メディアから、グーグルをはじめとするテクノロジーに移行する。それに関わる「富の分配メカニズム」も全く新しいものに変わる。
産業構造的に言えば、新旧の共存・棲み分けはこれからも相当長い間続き、その間に少しずつインターネットが既存メディアを侵食していく
従業員1万人の企業の社員が丸一日フルに働くのと同じ価値を、ひょっとしたら一億人の時間を三秒ずつ集めることでできるかもしれないのだ。
放っておけば消えて失われていってしまうはずの価値、つまりわずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを、無限大に限りなく近い対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか。ここに、インターネットの可能性の本質がある。
米国が圧倒的に進んでいるのは、インターネットが持つ「不特定多数無限大にむけての開放性」を前提に、その「善」の部分や「清」の部分を自動抽出するにはどうすればいいのかという視点で、理論研究や技術開発や新事業創造が実に活発に行われているところなのだ。
ネットに向かって能動的な知的活動を行って初めて〜
旧来の考え方で営まれるビジネスや組織に対して、この三大潮流は破壊的に作用する傾向が強い。
一八六〇年当時、世界経済の辺境・僻地であった米国が、その四〇年後には鉄道がもたらした経済の変質ゆえに、世界最大の経済圏に躍り出る。
ウェブ上の民主主義はワークする。
実際にグーグルが行っているのは、知の世界の秩序を再編成することである。
「インターネットの意志」を実現したいという欲求、言い換えれば「インターネット神への信仰心」のようなものの強さが〜
メジャーメディアの世界広告市場は、三五兆円から四〇兆円くらいの規模である。しかし広告の本質を「製品やサービスの送り手が、自らの存在を潜在的受け手に何とか認知させたいと考える経済行為すべて」と広義に定義しなおせば、その市場規模は一〇〇兆円規模になる。グーグルはこの巨大なカネの流れ方を変えるだけでなく、このカネを原資に全く新しいバーチャル経済圏を形作ろうとしているのである。
モチベーションの高いメンバーだけで構成される小さな組織で、すべての情報が共有されると、ものすごいスピードで物事が進み、それが大きなパワーを生む。
とりあえずここまで。ふう。